WISC-Ⅴ検査の結果を読み取る手順

WISC-V(Wechsler Intelligence Scale for Children-Fifth Edition)は子供の知能を測定するための検査です。

この検査の結果を読み取るためには、以下の手順を踏むことが重要です。


①スコアの取得
WISC-V検査は複数の下位検査から構成されており、各下位検査の得点を取得します。これらの得点は原点数(Raw Scores)として記録されます。


②スケール得点への変換
原点数を標準得点(Scaled Scores)に変換します。これは、年齢ごとに設定された基準に基づいて行われます。


③合成得点の算出
標準得点を基に、以下の5つの指標(合成得点)を算出します。

- 言語理解指標(VCI)
- 視空間指標(VSI)
- 流動性推理指標(FRI)
- ワーキングメモリ指標(WMI)
- 処理速度指標(PSI)


④全検査IQ(FSIQ)の計算
上記の指標から全検査IQ(Full Scale IQ, FSIQ)を算出します。これが全体の知能指数となります。


⑤結果の解釈
合成得点とFSIQを解釈します。これには以下の点を考慮します。

- 標準得点の平均は100で、標準偏差は15です。85~115の範囲は平均的な知能を示します。

- 各指標の比較を行い、特定の強みや弱みを特定します。例えば、WMIが低い場合はワーキングメモリーの課題が示唆されます。


⑥レポート(所見)作成
最後に、結果を基にレポートを作成します。このレポートには、得点の概要、解釈、教育的または臨床的な推奨事項が含まれます。


追加の注意点
- 結果は単なる数字ではなく、全体的なコンテキスト(子供の背景、行動、環境など)を考慮する必要があります。

- 専門家(心理士など)の指導のもとで解釈されるべきです。


以上のステップに従って、WISC-V検査の結果を読み取り、適切に解釈することができます。

発達障害ラボ【WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査で子どもの課題やトラブルを明らかにし、その課題を解決しよう!】

発達障害ラボは、発達障がいや学習障がい等を抱える方のため、その支援者のために設立されました。 支援内容は、 ・WISC-Ⅴ検査の研修会の実施 ・WISC-Ⅴ(ウィスク5)検査の実施 ・WAIS-Ⅳ(ウェイス4)検査の実施 ・オンラインでのWISC-Ⅴ(ウィスク5)検査結果の解説 ・オンラインカウンセリング(Zoom) ・WISC-Ⅴ検査 事例研究会(勉強会) などです。

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